インターネットFAXとメールは、どちらもデジタルデバイスをとおしてコミュニケーションをする手段です。しかし、双方の違いがよくわからない人も多いでしょう。本記事では、インターネットFAXとメールの異なる点に焦点をあてて解説します。そして、インターネットFAXにかかる料金や、導入すべき企業の特徴もまとめて紹介します。

インターネットFAXとメールの違い

まずは、インターネットFAXとメールの違いを紹介します。メールは、文書やファイルを相手のメールアドレスに送信する方法です。主に日常的なやり取りに使われますが、受信者がメールアドレスをもっている必要があります。

また、セキュリティや公式文書の取り扱いに関しては、限界がある場合があります。一方、インターネットFAXは、FAX番号を使って文書を送受信するサービスです。こちらでは、メールアドレスがなくてもFAX番号を通じて文書を送れます。

これにより、とくに法的な書類や契約書など、FAXでの送受信が求められる業界や、取引先とのやり取りにおいて非常に有用です。インターネットFAXはメールよりも公式性が高く、セキュリティ面でも強化されているのが特徴です。両者の大きく異なるポイントは、FAX送信の有無です。

メールでは受信者のメールアドレス宛に文書を送るのに対し、インターネットFAXでは、FAX番号を使って文書を送れます。これにより、FAX機をもっていない人にも文書を送れるため、ビジネスシーンで役立ちます。また、FAX番号からのデータ受信も可能なので、紙での出力が必要な場合にも対応可能です。

インターネットFAXにかかる料金

インターネットFAXを導入する際の料金体系は、主に4つの観点から考慮する必要があります。これらの費用は、初期費用、月額基本料金、送信費用、受信費用に分かれます。

初期費用

まず、初期費用としては、契約者に専用のFAX番号を発行するための登録料金があります。一般的に、この料金は一度きりの支払いで、金額は約1,000円程度です。ただし、サービスによって異なる場合があるため、選定時には料金体系をしっかりと確認することが重要です。

月額料金

月額基本料金はインターネットFAXサービスを利用するための基本的な費用で、一般的には毎月1,000円から1,500円程度です。この金額は、従来の複合機リース料金と比較すると、はるかに経済的です。たとえば、従来型の複合機のリース料金は月額1万5,000円から3万円が相場であるため、インターネットFAXはコスト削減に寄与する選択肢となります。

送信費用

送信費用は、送信するFAXのページ数にもとづいて計算されることが一般的です。1ページあたりの料金は、約8円から15円の範囲です。従来の電話回線を利用したFAXとは異なり、ページ数にもとづいた料金体系が採用されています。このため、利用頻度によっては月額料金に一定の枚数まで送信が含まれているプランを選ぶことで、コスト削減が可能です。

受信費用

最後に、受信費用ですが、従来のFAXでは受信に費用はかかりません。しかし、インターネットFAXでは受信ごとに費用が発生することがあります。受信費用は1ページあたり約8円から15円で、不要な営業FAXを受け取ると、その分無駄なコストが発生することになります。

ただし、一部のサービスでは月額基本料金に一定枚数の受信が含まれているプランもあり、受信量が少ない場合には追加費用を抑えることが可能です。

インターネットFAXを導入するべき企業の特徴

インターネットFAXの導入を検討すべき企業には、いくつかの特徴があります。その特徴とは、下記のとおりです。

FAXによる取引量が多い企業

まず、FAXによる取引量が多い企業です。日常的に大量の受注FAXを受け取るため、それらの文書を手作業で仕分ける処理や、ファイリングする作業が発生します。この手作業は非常に時間と労力を要し、さらに業務の遅延やミスを招く可能性があります。

しかし、インターネットFAXを導入することで仕分け・アーカイブが自動化されるため、業務の効率化が進みます。また、紙ベースのFAXに比べて、コストや時間の節約にもつながるでしょう。

テレワークが進んでいる企業

次に、テレワークが進んでいる企業にとって、インターネットFAXは業務の効率化と柔軟性を大幅に向上させるツールとなります。従来のFAX機では、送受信作業を行うために物理的にオフィスにいなければなりません。しかし、インターネットFAXなら、従業員はどこからでもFAXの送受信が可能です。

これにより、オフィスに出向く必要が減り、業務の継続性が保たれるだけでなく、従業員の自由度も向上します。テレワークの導入が進んでいる企業では、こうした柔軟な働き方をサポートするために、インターネットFAXの導入は有効です。

従業員の外出・出張が多い企業

また、営業などで従業員の外出や出張が多い企業にもインターネットFAXは役立ちます。従業員が外出先や出張先でFAXを送受信する必要がある場合、従来のFAX機では対応が難しいです。

しかし、インターネットFAXなら移動中でもスマートフォンやタブレットを使ってFAXの送受信が可能です。これにより、外出や出張先でもスムーズに業務を進められるので、仕事の効率化が実現します。

まとめ

インターネットFAXとメールは、どちらもデジタルコミュニケーション手段ですが、それぞれに特徴があります。インターネットFAXはFAX番号を使用して文書を送受信でき、メールアドレスをもたない相手ともやり取りが可能です。とくに法的書類や契約書のやり取りにおいて、公式性やセキュリティが重視される場面で有用です。導入にかかるコストは初期費用や月額料金が比較的低く、FAXによる取引が多い企業やテレワーク環境をもつ企業には大きな効果を発揮します。