クラウドFAXはAPIと連携するべき?API連携でできること
古くから多くの企業で利用されてきたFAXですが、メールの登場によりその存在価値が危ぶまれてきています。しかしFAXという独自の文化をこのまま失ってはいけないと、ネットとクラウドを利用して再び活用する動きも出て来ました。ここではクラウドFAXをAPIでシステム連携して有効活用する方法と、その事例について見ていきます。
従来のFAXの利点とメールとの相似
FAXの利点は電話との違いを考えると分かりやすいです。電話は言葉での連絡なのでスピードは速く伝えられますが、情報量が多くなると聞く側も覚えきれません。データとして量があるなら表にして渡したい状況になり、それがまさしくFAXの役割なのです。
FAXは画像をそのまま送れるので、相手はじっくりと確認出来るので間違いがありません。 また、相手の都合を考えなくていい点もFAXの利点です。とりあえず送っておけば相手には届いているので、相手のタイミングがいい時に確認してもらえばいいという使い方となります。
しかしこれらは現代において、メールに変わりつつあります。メールはどの企業でも繋いでいるネット回線でそのまま送れますし、追加料金もありません。FAXの場合はFAX番号を取らなければならないだけでなく、受信用の機器も必要で、受け取る度に紙が消費されるというコストも掛かるのです。役割として非常に被ってしまっているため、メールを使い始めた企業により次第に使われなくなっていきました。
しかしFAXを使っている企業と取引がある場合は自社も必要なため、そういった兼ね合いでなかなかなくなりはしない技術だったのです。ここで、ネットを使ったFAXという新しい手法が生み出されました。それがクラウドFAXで、ネット回線を利用したFAX的なサービスなのです。
クラウドFAXとシステムのAPI連携
FAXをネットを使って行う事により、様々な利点があります。まず受け取ったFAXをデータとして保存しておけるので、一覧表示して必要なデータだけプリントアウトする事が出来ます。そしてパソコン上のデータなので、従来のFAXのように画質が粗いといったこともなく、カラーも可能です。
プリントアウトを前提としないのでFAX専用機も必要ありませんし、コストの面でも安心なのです。 クラウドFAXはソフトウェア、もしくはアプリケーションになっているのでAPIと利用して自社の使っているシステムと連携する事も出来ます。使っているシステムが他社とのデータのやり取りを頻繁に行い、それがプリントアウトも行いたいタイプのものだった場合、クラウドFAXを自社システムと連携させてしまえばいいのです。
APIとは、ソフトウェアを他のシステムと連携させるために公開される仕組みの事を言います。APIが公開されていればその仕様通りにプログラムを組むことで、他のソフトと合体が出来るのです。つまり元から使っているシステムの一つの機能としてクラウドFAXの送信と受信が可能になるという事で、他社とのやり取りをシステム上でスムーズに行うには便利な機能と言えるでしょう。メールやチャットツールを使ったデータのやり取りは元から普及していますが、クラウドFAXの様に画像がメインとなっているものは新しいのです。
大きめのデータを大量にやり取りする
この利点はやはり大量の画像データを素早く安全に送れるところでしょう。クラウドFAXはその名の通り、クラウドにデータ保存のスペースを持っています。メールと比べると、メールは文字がメインであって添付ファイルはあくまでもオプションです。FAXはそもそも文章を画像にして送っているようなものなので、大容量データ送信に適したプラットフォームとして容量には余裕を持たせてシステムが構築されています。
会社間のやりとりをクラウドFAXと連携する事で、システム上に大容量スペースを用意していなかったとしても簡単に大量の画像データのやり取りが行えるようになります。元から使っているシステムでクラウドスペースを用意する事も可能ですが、それにはどうしてもコストが掛かりますし、そこに送受信のプロセスを構築するのも大きな作業になってしまいます。API連携をすればその部分が簡単になるので、今後大きい画像データのやりとりが発生するシステムには、クラウドFAXとのAPI連携が多く使われていくかもしれません。
FAXの欠点である、送信データがどこにいったか分からないといった問題もクラウドFAXなら全てクラウド上で保存されており、管理も簡単なので非常に便利です。日付やファイル名での検索や、サムネイル表示など目視で探したりする事も可能であり、新世代FAXと言えるでしょう。またペーパーレス化により、地球環境を保護することにもつながります。
FAXは過去の遺物に感じる人もいますが、進化したクラウドFAXは様々な可能性を秘めています。特にここで紹介したようなAPI連携を前提とすれば、普段から自社で使っているシステムと連携して様々な便利な可能性が見いだせると言えます。ぜひクラウドFAXとAPIを連携させて、作業効率を上げていきましょう。