インターネットFAXを今のFAX番号のまま使うにはどうすればいい?
「いままで使っていたFAX番号をそのまま、インターネットFAXで利用したい」と考えている人もいるでしょう。そこで今回は、インターネットFAXをいままでの番号のまま使う方法について紹介します。また、インターネットFAXを利用するメリット・デメリットも合わせて解説するので、ぜひ、参考にしてください。
インターネットFAXを今の番号で使う方法
現在使用しているFAX番号をそのままインターネットFAXに移行する方法は、主に3つあります。これらの方法を、順に解説します。
ナンバーポータビリティを利用する方法
ナンバーポータビリティ(番号移転)は、携帯電話番号と同様に、現在利用しているFAX番号をそのままほかの通信方式に移行できるサービスです。インターネットFAXに番号を移行する際も、このサービスを利用することで、従来のFAX番号を引き続き使用できます。
ただし、ナンバーポータビリティを利用するには、市外局番や現行の回線種類、契約、利用しようとしているインターネットFAXサービスの条件によって制約がある場合もあります。そのため、事前に条件や対応サービスを確認することが重要です。
転送サービスを活用する方法
転送サービスを使用すれば、今使っているFAX番号に届いたFAXを自動的に指定した番号へ転送できます。転送先としてインターネットFAXの番号を設定すれば、FAXをインターネットFAX上で受信することが可能です。これにより、FAX番号を変更せずに、インターネットFAXを利用できます。
ただし、転送サービスを利用するには月額基本料や、FAX送信にかかる転送料金(FAX番号から転送先番号への通信費)が発生するため、事前にコストをシミュレーションしましょう。事前に利用条件や自社のこれまでの送受信枚数から、費用がどのくらいかかるか把握しておくことが大切です。
新規番号取得と併用する方法
現在のFAX番号を残しつつ、新たにインターネットFAX専用の番号を取得して併用する方法もあります。この方法では、現在のFAX番号を継続して使用しつつインターネットFAXを新たに導入することで、利便性を高められます。
しかし、この方法では追加の番号を取得することになり、運用や管理に手間がかかります。費用面では、複数の番号を管理するため、運用コストが増える可能性もあります。
インターネットFAXのメリット
インターネットFAXの導入には、さまざまなメリットがあります。
どこからでもFAXを閲覧・返信できる
1つ目は、どこからでもFAXを閲覧・返信できる点です。送受信したFAXはクラウドに保存され、インターネット環境があればPCでどこからでもアクセスできるため、リモートワークや柔軟な働き方を支援します。また、急に担当者が休んでも、ほかのメンバーが業務を引き継げるため、業務の中断を防げます。
BCP対策として有効
2つ目は、BCP(事業継続計画)対策として有効であることです。BCPとは、企業が自然災害などの緊急事態に遭遇した際に、事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、手段などを取り決めておく計画のことです。
インターネットFAXはクラウド上でデータが保存されるため、災害などで拠点に社員が出勤できない場合でも、ほかの拠点からFAXを処理できます。これにより、業務を継続しやすくなります。
コスト削減・業務効率化
3つ目は、ペーパーレス化によるコスト削減と業務効率化です。紙FAXの管理にかかる手間や保管費用を削減でき、FAXデータをPDFとして保存することで、業務が効率化します。たとえば、3か月で2万5,000枚の紙削減が実現した事例もあります。
業務分析
4つ目は、デジタル化による業務分析です。FAXデータを電子化し、処理の進捗や業務量を可視化することで、業務のマネジメントやデータ分析が容易になります。これにより、効率的な業務配分が可能になります。
インターネットFAXのデメリット
インターネットFAXには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
コストが割高になる
1つ目のデメリットは、コストが割高になる場合がある点です。従来の複合機を用いたFAXは、送信料金が距離や時間帯、契約内容にもとづいて変動します。しかし、インターネットFAXでは、初期費用、月額基本料、送受信料金が発生します。
送信料金は一般的に全国一律ですが、サービスによっては受信枚数や送信枚数に制限があり、追加料金がかかる場合も多いです。そのため、送受信枚数や利用頻度に応じた料金体系を選ぶことが重要です。
FAX番号が変更になることが多い
2つ目のデメリットは、FAX番号が変更になることが多い点です。多くのインターネットFAXサービスでは、サービス提供会社から新しいFAX番号が発行されるため、現在使用しているFAX番号をそのまま使えないことがあります。
この場合、取引先への通知や名刺、ウェブサイトの更新などの手間が発生し、コストもかかります。今までのFAX番号でインターネットFAXを使いたい場合は、記事冒頭で述べた方法を試してみましょう。
まとめ
インターネットFAXを現在のFAX番号で利用する方法には、ナンバーポータビリティを利用する方法、転送サービスを活用する方法、そして新規番号取得と併用する方法の3つがあります。これにより、番号変更の手間を省き、既存の取引先とのスムーズな連絡が可能です。インターネットFAXは、どこからでもFAXの確認や返信ができるほか、BCP対策にも有効で、業務の効率化やコスト削減にも寄与します。ただし、導入コストや番号変更の可能性など、デメリットも考慮することが重要です。