クラウドFAXとは?通常のFAXとどう違う?
紙に書かれた文字や図柄などの情報を送信する方法として、電話回線を利用するFAXが用いられてきました。現在は電話回線を使用しないクラウドFAXと呼ばれるサービスが多く用いられています。クラウドFAXとは電話回線ではなくてインターネットを利用して文書データの送受信を行う方法で、通信量を節約したりペーパーレスに効果的なサービスです。
クラウドFAXとは-インターネットを利用した送受信サービス
クラウドFAXとは、文書データを他の場所に送信する際に電話回線ではなくてインターネット回線を利用して転送を行います。従来のFAXは送信先が相手の電話番号ですが、クラウドFAXはインターネット上のサーバーに文書データが保存されます。文書データはPDF形式のファイルに変換されており、アクセス権のある受信者であれば誰でもサーバーからファイルをダウンロードして閲覧することが可能です。
データを送信する際は従来のFAXと同じように紙ベースの文書をスキャナーに読み込ませることも可能ですが、テキスト・ドキュメント・PDFファイルを直接送信する方法もあります。紙ではなくてデジタルデータを送信すれば、送信側・受信側ともにプリントアウトする必要がないのでペーパーレス化につながります。
ちなみにクラウドとはインターネット上のサービスのことで、クラウドFAXを利用するためにはサービスを提供している運営会社と契約を結んで月額利用料を負担します。送信された文書データは運営会社が管理するデータセンターに保管され、アクセス権のあるユーザー以外は閲覧をすることができない仕組みになっています。サーバー上に送信された文書データは一定の期間が経過すると自動的に削除されますが、送信者が操作して消去することも可能です。
従来のFAXであれば、受信した紙を紛失するとデータが失われてしまいます。これに対してクラウドFAXはサーバー上に文書データが保管されている間であれば、何度でも文書ファイルをダウンロードすることが可能です。
クラウドFAXの便利な利用方法とは
クラウドFAXのサービス内容は従来の電話回線を使用した従来のFAXとは異なりますが、いろいろな使い方ができます。紙に書かれた文書を送信したい場合には、インターネットに接続されたスキャナーを通して読み込ませてからデータを送信をします。
受信する側ではWebブラウザなどサーバーにアクセスして文書データを表示させたり、プリンターを使って紙に印刷をすることができます。 PDFやテキストファイルなどのデジタルデータであればスキャナーは不要で、PCから直接送信することが可能です。クラウドFAXはインターネット回線が利用できる環境であればどこでも使用できるので、外出先から携帯電話のデータ通信サービスを利用してスマートフォンを使って送受信をする方法もあります。モバイル版の専用アプリを使用すれば、スマートフォンのカメラで紙ベースの文書データを読み込んでデジタル変換をした上でサーバーに送信することもできるでしょう。
受信側・送信側ともにモバイル端末を使用して文書のアップロードとダウンロードが可能なので、外出中でオフィスに滞在していない人同士でも文書をやり取りすることができます。 クラウドFAXは従来の紙ベースのFAXと同じように文書の送受信ができますし、デジタルデータの形でサーバー上に文書を保管したり1回の送信で複数の相手に同時に送信することができるという点で、従来のFAXにはない便利機能が利用できます。
クラウドFAXの導入方法と使用上の注意点
クラウドFAXを導入するためには、まず最初にサービスを提供している運営会社と契約を結んで必要なソフト・アプリをインストールする必要があります。従来のFAXとは違い、契約先は電話会社ではないので注意しましょう。
利用契約を結ぶとアカウント数に応じてFAX番号が割り振られるので、事業所または個人単位で専用の番号を決めます。必要なソフト・アプリをインストールしたり番号が割り振られたら、インターネットが使用できる環境で文書データを送受信することができます。
クラウドFAXの利用契約を結ぶ際は、サーバー上に保存が可能な文書データの容量や保存期間などを確認するようにしましょう。もしもサーバー上に保管されているファイルがデータ保存容量の上限に達すると文書を送信することができなくなる場合があるので、不必要なファイルは削除するようにしましょう。
クラウドFAXを利用する場合は受信側でも運営会社が設定したFAX番号が必要になるので、取引先との間で送受信をする場合は相手にも番号を通知する必要があります。別の運営会社に切り替えるとFAX番号も変わってしまうので、長期間にわたり利用することを考慮してプランを慎重に選ぶことが大切です。
クラウドFAXはインターネット回線を通して文書データが転送されるため、途中のサーバーで傍受されるリスクがあります。機密性の高い文書を送受信する場合は、データ送受信の際に暗号化処理が施されるサービスを選ぶようにしましょう。
クラウドFAXと従来のFAXを比較すると、インターネット回線を使用する・ネット上のサーバーにデータが保存される・デジタルデータで送受信が可能なので紙が不要である、などの点で違いがあります。ただし、プリンターやスキャナーがあれば、従来のFAXと同じように紙ベースでも送受信をすることも可能です。